akkiy’s 備忘録

主にインスタで載せ切れなかった読書記録とか。

【読書記録】「トリスタンとイゾルデ」(著:ゴットフリート・フォン・シュトラースブルク) メモ全文

インスタの方で載せ切れなかった「トリスタンとイゾルデ」(著:ゴットフリート・フォン・シュトラースブルク)のメモなど。

 

 

以下、印象に残った箇所やメモなど。

 

第1章「序章」
3 暇のある人が恋の苦しみを背負い込むと、恋の苦しみは暇の多さに比例してつのるというのが、すべての人の一致した意見である。恋の悩みに暇が伴えば、恋の悩みはますます大きくなるものである。それゆえ心の痛みと恋の苦しみを胸に抱く者は、できるだけその身のために暇つぶしの仕事を探すことを心がけるのがよい。そうすれば、憂え心はとりまぎれ、それは憂え心にとって甚だ結構なことである

 

第16章「媚薬」
198 相愛の二人にはその度に、相手が前よりもずっと美しくなったように思われた。これが愛のおきてであり、恋のしきたりであって、すべての恋人たちの間では過去においてもそうであったし、現在においてもまた未来においても恋が存する限りそうなのであるが、愛が二人に芽生え、花を咲かせ、甘美な実を結ぶとき、相思の二人は互いに最初よりも魅力を感ずるようになるのである。実を結ぶ恋は、それが生長するにつれて、恋人をますます美しくする。これが恋のまく種子であり、この種子のお陰で恋は滅びることがないのである。

 恋は前よりも後になるほど美しく思われるが、そのためにこそ恋のおきては永続するのであって、恋が前も後も同じように思われるものなら、恋のおきては速やかに滅びるであろう。