akkiy’s 備忘録

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【国家公務員試験 総合職<教養区分>】 独学「ギリギリ」合格ルポエッセイ 2次試験&合格のヒント編

前回のルポエッセイの続きです。2次試験編になります。最後に教養区分合格のヒントも書いておきました。

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目次

 

2次試験

 11月の26、27日の両日に渡って行われる試験は、1日目が現役官僚に向けて政策のプレゼンを行う企画提案試験、2日目が受験者6人でグループディスカッションを行い取るべき政策を議論する政策課題討議試験と面接(人物試験)である。加えて1次試験で書いた論文が審査される。

 

対策など

 2次試験の対策として、私はあまり時間とやる気がなかったので、2次試験に必要な提出書類の準備と企画提案試験の参考文献のチェックくらいしかしていない。

 参考文献は以下のリンクにもある通り、子供・若者白書と高齢者白書の抜粋3編が提示された。主にひきこもりに関する資料であった。

人事院「2022年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験) 教養区分 第2次試験の企画提案試験について」:https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sougousyoku/kyouyoukubunn/CP2022kikakuteiansiryou.pdf

 本当ならばこの資料から実際に出題される問題をいくつか予想しながらプレゼンをしてみるのが良いのだろうが、私はこれらの資料に軽く目を通したくらいしかしなかった。

 政策課題討議試験に至っては独学の自分にとって対策のしようがなかった。学内の勉強会のようなものを探したが無い様子だったし、予備校にも行きたくなかったので、結局何も出来ないまま当日に臨むことになった。

 

1日目

 さて11月26日の2次試験の1日目を迎えた。私は試験会場として指定された東京都北区にある西ケ原研修合同庁舎に向かった。12時30分に試験開始だったので、12時前に最寄りの地下鉄南北線西ケ原駅に降り、地上に上がってみると閑静な街並みが広がっていた。車通りも少なく建物もそこまで高くないので空が広いように感じた。車が大量に行き交い、緊急車両のサイレンが鳴り響く環境に慣れていたので、西ケ原の街がとても落ち着いているように感じた。

 駅から会場まで歩いて5分ほどである。途中コンビニで飲み物を買い会場に向かうと11時50分でまだ開門前だったので、隣の公園でしばらくのんびり過ごした。周りには自分と同じようにスーツ姿の受験者と思しき人がちらほらいて、のどかな公園の中で少々目立つように感じた。

 10分ほどして開門した。人気のない敷地内にはよく手入れされた植栽が広がっている。丘に埋まるように建っている中々立派な庁舎は確か1~5階まであり、入り口が3階だった。内部はこちらも人気はないものの、掃除だけは行き届いていて、蛍光灯で青白く照らされた長い廊下がとても無機質な感じがする。受験者は2階の一室に集められ、各人に割り当てられた机に着席させられた。私は一番奥の列の一番後ろに座った。全部で7、80人もいるので机回りは狭い。

 

企画提案試験

 試験官からしばらく今後の流れを説明されてから企画提案試験が始まった。この試験は2部構成となっており、まず1部では、90分で問題に沿ってプレゼン内容をB4ほどの紙の両面に自由に書き上げる。2部でこのレジュメを基に官僚相手に5分間プレゼンをし、20分ほど質疑応答をする。

 

 提示された問題は、資料を参考にしつつ、孤独・孤立の問題を予防し、その問題の当事者などを支援するための具体的な施策を提案し、その際、施策は対象者の属性や生活環境を明確にし、施策推進の留意点にも触れなければならない、というものであった。

 私は事前にネットで見たやり方を参考に

①現状分析

②政策目標

③現状の課題の洗い出しとその原因

④最も取り組むべき課題の選定

⑤施策内容

⑥効果と留意点

 という構成でレジュメを書くことにした。たまたまニュースか新聞で見た題材だったので施策内容はすぐに思いつき、ひきこもり地域支援センターを軸に新たなコミュニティーをつくるという軸で、それらしいことを何とか書き上げた。その際、問題に過不足なくしっかり答えることと、後で試験官に突っ込まれるポイントを敢えて作ることを意識した。

 

 1部が終わり、続いて2部となったが、ここからが苦痛の時間だった。各人が順番に呼ばれプレゼンを行う部屋に移動するのだが、それまでの待機時間が結構長い。長い人によっては4時間弱待たされる。よりによって私は一番長く待たされた。加えて、公平性を期すためという理由で読書やスマホ、雑談などが禁止される。水分補給をしたりお手洗いに立ったりするのにも許可が必要だ。従って私は4時間弱、文字通り何もしないでただじっと待っていることを強いられた。留置場にぶち込まれた気分で、これは体力的にも精神的にも本当に苦痛だった。

 4時間弱してようやく私は呼ばれた。別室にて自分が先に書いたレジュメのコピーを渡されて10分ほど準備時間が与えられた。疲れ切った頭で一通りプレゼンする内容と予想される質問を確認した。体力、精神共にだいぶ追い込まれた状態でも仕事をし続けるタフさが官僚には求められるだろうから、この状況はそれを試しているのだろう、とふと思った。

 その後、試験官がいるまた別の部屋に誘導された。試験室内には2、30代と思しき若めの男性試験官が2人いた。そのうちの1人に促されて席につき、本人確認を経て、5分間のプレゼンとなった。私は何とか体力を振り絞り、手元に置かれた時計を見ながらプレゼンを始めた。緊張から早口となり、何度も噛みそうになったが、冷静になろうと意識的に一呼吸置きながら話していった。

 時間ピッタリでプレゼンを終え、質疑応答に移った。試験官からの質問は緊張からあまりよく覚えていないが、どの質問にもできるだけ分かりやすく論理的にぱっと答えることを心掛けた。

 質問で覚えているのは提案した施策の予算などについてだ。一体どの程度の予算の規模を考えているのか、施策に必要な場所はどうするかといった内容の質問をされた。私は予算について全く考えていなかったものの、その場しのぎで何とか答えた。後になって知ったのだが、企画提案試験においては「役所はお金が無い」ということを意識して施策を考えなければならなかったようだ。幸い自分の書いた内容はそこまでお金のかかるものではなかったので命拾いした(と思ったが予算の根拠をあいまいにしたことが後に点数が伸びない原因となった)。

 質疑応答は20分とされていたが5分ほど早く終了し、1日目は終わった。

 

2日目

 翌日27日の2日目の試験は13時30分から開始だったので、13時くらいにまた昨日と同じく西ケ原研修合同庁舎に向かった。この日は昨日と違って大きな部屋が割り当てられたので窮屈な思いをしなくて済んだ。どうやらそこは昨日の部屋と同じだったものの、昨日は部屋の半分を可動式の壁で仕切り、片方は受験者の待機部屋、もう片方はプレゼンの準備の部屋としていたらしい。他の部屋はがら空きなんだからその準備部屋は別室にしろよという文句が頭をよぎった。

 

政策課題討議試験

 指定の席に座り、試験官がまたその日の流れを一通り説明してから政策課題討議試験が始まった。提示された問題は具体的には忘れたが、

A:大学に対して国が支援を拡充すべきである

B:大学に対して国の支援を拡充すべきでない

の2択から1つを選び説明するというようなものだった。この試験も2部構成となっており、まず1部では2部のグループ討議で使ための、自分の考えを書き込んだレジュメを作成する。そして2部では6人グループで採るべき政策をどちらにし、またどうするか議論をしながら形にしていく。

 1部は20分でレジュメを仕上げなければならず、時間的猶予はあまりない。A4ほどの紙の片面にどちらの案にするか、自分の考えも含めて書くわけだが、考えていると本当に時間がすぐに過ぎてゆく。現状分析や政策目標、案の選択、その理由、期待できる効果などをしっかり書こうと思ったが、ああでもないこうでもないと悩んでいたら残り2分となっており、結局3、4行だけの殴り書きになってしまった。

 やってしまった、と思いつつもグルディスで挽回しようと私は気分を切り替えた。こういう試験の場面では少しミスしても気持ちを入れ替えることは大事である。ただ今にして思うと、グルディスの対策を全くしていない自分が挽回できるなどという見通しは甘いと言わざるを得なかった。そして私は猛者たちに圧倒されて終わることとなってしまう。

 

 レジュメが回収されてグルディスの資料としてコピーが取られている間、確か諸々の書類を提出する時間となった。ここで重要となるのが英語試験の活用である。英検やTOEICなどの英語の試験で一定のスコアを有していると、最終成績の点数に15点、もしくは25点加算されるのだ。私の場合はTOEICで900点を取っていたので25点加算されることになる。最終合格を得るために英語試験を活用しない手はないだろう。

 

 書類の提出も一通り済むといよいよ2部のグルディスである。待機室の机の各号車ごとには6人いて、この6人でグルディスをすることになる。グルディスを行う部屋に案内されると、2人掛けの机が3脚、三角形をなすように並べられており、各人が指定された場所に座る。少しすると試験官3人が入ってきて、3人が我々の後ろを囲むようにバラバラに座った。ここではまず各人がそれぞれレジュメを基に自分の選択・主張を2分程で順番に説明し、その後30分程グルディスとなり、最後に各人が順番に感想を1分で述べる。

 始まる前に試験官から全員分のレジュメのコピーが一人一人に渡された。それに目を通して私は他の人のレジュメの完成度の高さに驚いた。皆、現状分析から打ち手、理由、その後の効果などなどをしっかり書いており、ゴミみたいな殴り書きをしていたのは私一人だった。

 自分の気持ちが劣等感と焦りで一気にざわつく中、1人目の人が試験官に促されて説明を始めた。この順番だと私が最後である。この人の話を聞いていて、考えていることや発想、思考法の次元の高さが自分とはまるで違うと思い知った。自分はせいぜい問題で提示されていたことから無難な主張を導いた(それでもだいぶ粗雑な主張である)が、その人は日ごろからこういう問題のことを考えているのだと分かる。話しぶりからかなり練習してきたことも伺える。1人目の人に勝手に感心していると、次の人も同じような完成度の高い主張を展開した。というか、自分以外の全員が同様に非の打ちどころのないような考えを提示した。私は周りの人のレベルの高さに圧倒されな、がら、自分の粗末な殴り書きのレジュメを基にゴミみたいな拙い主張を手短に述べただけである。

 続いてグルディスに移った。各人の合意の下、自由に議論してよいと試験官から指示があり討議が始まった。ちなみにグルディスにおいて私たちは事前に割り当てられた番号でお互いを呼び合わなければならない。私の右前方にいる人がタイムキーパーを名乗り出た後、その隣にいた人が話し始め、自然とその人が司会という風になった。この司会の人がまた優秀そうな感じがしたのである。各人に話を振りながら議論の方向性を決めて、全体の議論をまとめていく立ち回りから、彼はプロの官僚になってそうだなあ、などとぼんやり思った。またそれ以外の周りの人も筋の通った意見を議論のペースに合わせながら丁寧に述べていっている。

「全体としてはこちらが優勢だったのでこっちの方向性でまとめていきましょうか」

「論点としては主にこれらに収斂されますかね」

「〇番さんの~という視点はこれを展開する上で重要であるように感じます」

「方向性としてはこうで、その上でこの考えなどにも最後触れていくのが良いと思います」

 私はレベルの高い猛者たちの議論に全くと言っていいほどついて行けなかった。練習もしていないし、テンポの速いやり取りは苦手なコミュ障なので、どのように立ち回ればよいのか分からない。また自分の想定よりも皆が相当深いところまで考えた上で議論しているので、自分の意見が全く浮かばず何を言うべきかも分からない。私はただ少し笑みを浮かべながら相槌を打つだけである。そんな私にも気を遣ってか例の司会の人が話を振ってくれたが、私は「○○、良いと思います」くらいしか言えなかった。

 ただ、これではまずいと思って、議論の行方を何とか辿り、各人のレジュメを繰り返し見ながら、論点に加えたほうがよさそうな考えを見つけ、タイミングを見計らって意見を述べた。例の司会の人が良い感じにフォローしてくれたのもあって、その後の議論にこの論点が追加された。ただ私の活躍らしい活躍はこれくらいで、基本は首振り人形ムーブだった。

 議論が良い感じにまとまっていき、グルディスも円満な感じで終了した。その後各人が感想を順番に言っていくことになったが、試験官の指示で順番がさっきとは逆になった。つまり私が最初に感想を述べるのだ。周りのレベルの高さに圧倒され、ついて行けませんでした、完敗です、が本音だったが、そう言う訳にもいかないので、「こうこうこういうところが良かったと思います」などと無難な言葉を私は述べた。何も議論に貢献せず、挙動不審になっていた私がそのような、さも皆と侃侃諤諤、有意義な討議をした充実感を滲ませたような感想を、しかも一番初めに言うのが何だかとても滑稽に思えた。

 周りの人もそれぞれに無難な感想を述べていき、政策課題討議試験が終わり、試験官が退出した。周りの人は自分が納得できるような立ち回りができたというような晴れ晴れとした表情でほっと一息をついていたが、私は一人意気消沈という感じだった。完全にやらかしたと思った。ただ、E判定、つまり問答無用の不合格となる、議論をぶち壊すような言動はしていないことは確かだったので、グルディスは最低評価のDだろうと思った。それでも1次の基礎能力試験の点数の低さをカバーするには不十分な評価であるのは確かだ。

 

人物試験

 さて、待機室に戻り、落ち込んだ気分になったりそれを振り払ったりしながら、最後の人物試験=面接の準備をした。ここで何とか挽回しなければならない。私は何を聞かれてもハキハキと答えられるように、事前に書いておいた面接カードに繰り返し目を通した。

 私はまたも号車の一番後ろの席で、面接も最後に呼ばれた。別室の前に移動し、案内の係に促されるまで廊下で待機していた。廊下に漂う冷気と緊張から来る自身の冷や汗とで、リアルに震えながら待っていた。

 前の受験者が部屋から出てきてしばらくしてから、案内係に促されて部屋に入った。中には右からベテランっぽい女性、ベテランっぽい男性、中堅っぽい男性の3人が椅子に座り待ち構えていた。私は自分が座るであろう椅子の前に立ち、真ん中の男性試験官に促されて着席した。

 どうやら真ん中の男性が面接官の中でのリーダーらしい。その面接官に促され自己紹介をした。出身大学を述べるのは禁句であると待機中に試験官から説明を受けていたので、私は学部と氏名を述べた。これから何を言われるのか身構えていると真ん中の面接官が最初に話しかけてきた。と言っても突飛な質問ではなく、事前に書いていた面接カードに沿って、ガクチカや社会活動などについて聞かれた。私は面接カードに書いていた内容をほぼそのまま答えた。するとその面接官は頷くしぐさを見せたので私はひとまず安心した。が、その安堵は隣の中堅男性面接官から質問をされたことですぐに打ち消された。

 そもそも最初から感じていたことだが、彼の目が私の身体全体を睨め回しているように感じ、この面接官とは波長が合わなさそうだと思った。そして案の定、こちらを試すような嫌味っぽい質問をされた。社会活動に関して質問され、私はサークルでの自分の活動について述べた。すると彼は不敵な笑みを浮かべながらそれについて深掘りしてきた。私は彼の態度を見ていて、何だかこちらが見下されているように感じた。するとこの予感は当たった。私はサークルで自主的な研究をしていた体験を話したものの、その面接官から急に「官僚はプレーヤーというよりも調整役だ」という趣旨の指摘を受けた。確かに官僚はその通りだとこれまで真面目に中央省庁の業界研究をしてこなかった私は気づかされ当てが外れたように内心動揺したが、同時にまるで私の回答を拒絶するかのような不遜な態度にイラっとしたが、そこは何とか我慢した。

 最後に右の女性面接官に移って、志望動機の深掘りや志望度の熱意、自分の価値観などを問うような質問を受けた。前と違ってこちらをいじめてくるような話しぶりではなく、むしろ動揺した私をフォローするようなトーンで話を振ってきてくれた。私も少々安堵して、自分の志望動機である社会貢献性の高い仕事をしたいということや、そのように思ったきっかけなどを質問に沿って答えていった。言いたいことは何とか全て言い切ることができ、相手に響いたかはよく分からなかったが少なくとも悪い印象は与えなかったということだけは確信できた。

 真ん中の面接官に面接終了を告げられて、部屋を出た。もう少し続くのかと思っていたので、意外とあっけなく終わったように感じた。しかし左の面接官が言った「官僚はプレーヤーというよりも調整役だ」という言葉が心につっかえたように残っていた。私はこれまで官僚の政策立案という側面だけに注目してしまっていたが、官僚は様々な意見を取りまとめて政策として形にしていくのだとうっすらと気づき始め、自分が小さくない勘違いをして面接を受けていたように感じた。グルディスで司会をしていた彼のことをぼんやり思い返した。議論のゴールを見据えつつ、色々な意見を取りまとめ一つの形にしようとするあの振る舞いこそ、官僚として必要な素質であり、自分にはその視点が欠落していたことを思い知った。

 2日間が終わった解放感と疲労感と反省を引きずりながら、もうすっかり暗くなった寒空の下、西ケ原研修合同庁舎を後にした。

 

最終合格発表と成績開示

 そして、12月14日の最終合格発表の日。

 そういえば今日は発表の日だと朝目覚めてぼんやり思い出した。完全に落ちた気でいた私はそれでもほんのちょっとの期待を抱きつつ、うつらうつらしながらパソコンの合格発表の画面を見つめた。

 すると、なんとまたも自分の受験番号が載っているではないか。

 何度も確かめても、自分の番号は確かにそこにあった。驚きで眠気は全く吹き飛び、思わず小躍りしてしまった。

 合格通知書をダウンロードし見てみると、自分の名前もしっかりある。

 そしてよくよく見ると席次と点数が書いてあった。

 合格者255名の中で私は下から9人目で、まさにギリギリ合格に滑り込んだ格好だ。得点も、例年の合格者の最低点が540点前後なので、それよりも明らかに低い。

人事院「2022年度 国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)(教養区分) 合格点及び平均点等一覧」:https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/heikin/shikencp_heikin.pdf

 ろくな対策はしなかったものの最終合格してしまったので、とても得した気分になった。

 

 年が明けてからしばらくして自分の成績が開示された。

 早速見てみると、総合論文は平均12点ちょっとに対して15点とまあまあ良くできていた。一方、企画提案と政策課題討議はどちらも基準点(これに達しないと問答無用で不合格となる点数)ぴったりで、ギリギリだった。グルディスはともかく、少し手ごたえがあったプレゼンもこんなに低い点数でビビった。今思うとお金のことをあまり考えていなかったことが面接官に伝わり、低い評価につながったのかもしれない。面接がC判定なのが救いである。

 改めてみると、1次試験の点数もギリギリである。知識分野は自己採点よりも1点低い18点だし。

 英語の加算があってもこの点数は例年ならば合格できないほど低いのが分かる。正直なところ、これでよく受かったなあと我ながら思う。対策があまり不十分でも受からないことはない、ということだけは証明できたので満足である(これだと受かる可能性は低いが)。

 

終わりに

 ここまで長々と書いてきたが、この文章が教養区分試験に関する情報格差を是正するのに少しでも貢献できれば幸いである。特に、周りに共に試験を受ける仲間がいない、予備校に通えないなど、受験に当たって不利な状況に置かれている方にとってこの文章が多少なりとも参考になればこれほど嬉しいことはない。

 私は何度も言うように、十分な対策をしてこなかった訳だが、逆に言えばこれ以上の対策をすれば、教養区分試験に合格する可能性は高まるのではないか。

 

教養区分合格のヒント

 以下に私がやったこととその結果、更なる対策の案をまとめた。点数が圧倒的に低かった自分は対策などについて何かを言える立場にはないが、点数を取る目安になればと思う。

 

1次

基礎能力試験で私がしたこと:過去問の演習、歴史科目の復習(高校の教科書を読む)。

→結果、知能13点、知識18点。ギリギリ足切りを食らわずに済む。

→更なる対策は、数的推理を解けるようにする(自分の場合はやっても効果がなかったが)、知識分野を固める(コスパは悪いが確実かも)、など。

 

総合論文試験で私がしたこと:前年の問題を一度軽く解く、資料を全て踏まえながら問題にしっかり答えることを意識する。点数の重みづけはこれが一番大きい。

→結果、1部は8点、2部は7点の計15点(満点20点、平均点12.113点、標準偏差2.492)。

→更なる対策は、何題か解いてみる、他の人に書いてみた文章を読んでもらいフィードバックをもらう、など。

 

2次

企画提案試験で私がしたこと:事前の資料の読み込み、論理を固める。

 →結果、基準点と同じ4点をもらう(満点12点、基準点4点、平均点5.951点、標準偏差2.061)

 →更なる対策は、「役所にはお金が無い」ということや「予算を得る上で国民にどう説明するか」ということを意識する、想定される問題をいくつか予想して実際にレジュメづくりとプレゼンをやってみる、プレゼンの練習を他の人に聞いてもらいフィードバックをもらう、など。

 

政策課題討議試験で私がしたこと:議論をぶち壊すような言動をしない、議論全体を聞きながら見逃されている論点を拾う。

 →結果、最低評価(=基準点)のDをもらう(A、B、C、Dの4段階評価、Eだと即不合格になる)。

 →更なる対策は、レジュメを時間内に仕上げる練習を重ねる(現状分析、政策目標、案の選択、理由、期待できる効果などを書く→こうすることでグルディスで皆に参照され自然と自分の持って行きたい方向に議論を導くことができるかも)、グルディスの練習を他の人とする(いなければ大学のキャリアセンターなども活用する)、など。

判定段階が1つ違うだけでもらえる点数がだいぶ違ってくるので、最低でもCを取りたいところ。

 

人物試験で私がしたこと:少なくとも面接カードに書いたことを深掘りされてもしっかり答えられるようにする。

 →結果、C評価をもらう(A、B、C、Dの4段階評価、Eだと即不合格になる)。

 →更なる対策は、「官僚はプレーヤーよりも様々な意見をまとめる調整役である」ことを意識する、組織で多くの人の間に立って調整役をした経験(ガクチカ)を話す、など。

判定段階が1つ違うだけでもらえる点数がだいぶ違ってくるので、最低でもCを取りたいところ。